教員からのメッセージ

「一緒にセレンディピティーを」

中島隆行教授

(無機化学分野・有機金属・錯体化学研究室)

 偉大な化学の発明や発見には予期しない偶然の産物によって見つかったものがあり、これをセレンディピティーと呼びます。私の研究の中にも、小さいですが、たくさんのセレンディピティーがありました。日々の研究は、ときに単調で失敗が連続することもありますが、新たな発見の感動や興奮を味わいたくて毎日研究に励んでいます。是非、一緒にセレンディピティーを体験し、化学の歴史に皆さんの名前を刻んでみませんか。

中島隆行准教授

「錬金術を越え新たな価値を生み出す化学へ」

松本有正

(有機化学分野)

 金の生成を目指した錬金術、残念ながら原子の発見により金を生み出す夢は叶いませんでした。しかしその過程で生み出された化学によって、同じ数種類の原子から構成される分子でも、その形や相互作用により性質が大きく変化し、生命を含めた多様な物質を作り出すことが分かりました。私は、分子が規則的に並ぶ結晶の構造や対称性をコントロールすることで、分子単独では得られない新しい特性の物質を作ることを目指しています。新しい性質をもった物質は医療、電池、半導体製造など社会のさまざまな分野で必要とされています。皆さんも化学で金よりも価値のある物質を作ることを目指しませんか。

「“化学”コースですが、いろいろな研究があります」

本田裕樹

(無機化学分野)

 酵素や微生物の細胞は大変優れた触媒です。私は自然界が作り出した酵素をうまく化学反応プロセスに組み込んで、人間の生活に有用な触媒系をつくることを目指して研究をしています。生物そのものが研究対象ではありませんが、研究材料の酵素を生産するために、遺伝子組換えをしたり、微生物を培養したりと、遺伝子工学や分子生物学の手法を使って研究をしています。
 化学、生物、物理、数学・・・のように区分があるように感じられますが、現代では研究に明確な境界はありません。また、化学コースでは「物理化学」「有機化学」「無機化学」を基礎の3本柱として学びます。どの教科書にも(物理化学の教科書にも)、酵素や生体分子、生体反応に触れる項目が多いことに驚きます。こうした教科書のタイトル、さらには学科やコース、大学の名前のイメージだけではなく、ぜひその場でどのような研究が行われているかを知り、自分の興味や関心を満たすものを探してほしいです。化学コースは実験系から理論系まで実に幅広い分野で研究が行われています。皆さんの興味や関心に応えることができます。

「化学と向き合う時間=自己成長の時間」

河合里紗

(物理化学分野)

 私の専門はコロイド・界面化学で、イオン液体と界面活性剤の両性質を併せもつ両親媒性イオン液体の研究を中心に行っています。イオン液体は、電解質としての用途をはじめ可溶化、薬物輸送、分離・回収などの新たな応用が期待される材料です。肉眼では見ることのできないソフトなナノ界面の謎を解き明かすために、新しい両親媒性分子を分子設計・合成し、界面および溶液中での構造と物性について研究しています。
 私は化学科(現 化学コース)の出身で、再び教員として戻ってきました。化学コースでは少人数できめ細やかな指導を受けることができ、落ち着いた環境で研究に打ち込むことができます。研究室は、ただ実験データを出すのではなく、学部3年次までとは違う経験を積みながら研究を通して人間的にも大きく成長できる場所です。未知を追究して壁を乗り越えながら、皆さんの将来に繋がる研究室生活を送ってみませんか。



(今後、更新予定)

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